ビアンコマジャーレとは?
「白い食べ物」という名の素朴な絶品スイーツ、ビアンコマジャーレ。
イタリア・シチリア地方に古くから伝わる、家庭で愛される伝統的なデザートの魅力に迫ります。
ビアンコマジャーレ(Bianco Mangiare)は、牛乳や砂糖に片栗粉やコーンスターチなどの「でんぷん」を加えてとろみをつけ、冷やし固めて作られます。白くなめらかな見た目から「食べる白=白い食べ物」という意味を持つ、シンプルで上品なスイーツです。
名前の意味と語源
- Bianco(ビアンコ) = 白
- Mangiare(マンジャーレ) = 食べる
直訳すると「白い食べ物」。シンプルながらも、イタリアらしい美しい表現が込められています。
歴史と発祥
ビアンコマジャーレは、中世にシチリアを支配したアラブ人の影響を強く受けています。当時アラブ人が持ち込んだアーモンドや米粉、砂糖を使った料理が、このデザートの原型とされています。その後、地元で手に入りやすい牛乳やでんぷんに材料が変わり、現在の形へと発展しました。
特徴 — 見た目・味・食感
- 真っ白で清らかな見た目
- 甘さ控えめでやさしい味わい
- でんぷんで固めるため、ぷるんとした軽やかな食感
パンナコッタやブランマンジェに比べると、あっさりしていて食後にもぴったりです。
材料と基本のレシピ
材料(4人分の目安)
- 牛乳 … 500ml
- 砂糖 … 50g
- コーンスターチ … 40g(または片栗粉)
- バニラエッセンス … 少々
作り方
- 鍋に牛乳の半量と砂糖を入れて火にかける。
- 残りの牛乳でコーンスターチを溶かし、鍋に加える。
- 弱火でゆっくり混ぜながら、とろみがつくまで加熱。
- 型に流し込み、冷蔵庫で2〜3時間冷やし固める。
- 器に盛り付けて完成!フルーツソースやナッツを添えても美味しい。
アレンジ例・バリエーション
- イチゴソース:冷凍イチゴと砂糖を煮詰めるだけの簡単ソース。ビアンコマジャーレの白に映える鮮やかな赤が食欲をそそります。
- キャラメルナッツ:溶かした砂糖にアーモンドやクルミを絡めて。ほろ苦い風味がビアンコマジャーレの優しい甘さを引き立てます。
- コーヒー風味:牛乳を温める際にインスタントコーヒーを混ぜるだけ。大人っぽい仕上がりになります。
ブランマンジェ・パンナコッタ・ビアンコマジャーレの違い
よく似ている3つの白いデザートを比べてみましょう。
| デザート名 | 主な材料 | 固め方 | 食感・特徴 | 発祥地 |
|---|---|---|---|---|
| ビアンコマジャーレ | 牛乳・砂糖・でんぷん(片栗粉やコーンスターチ) | でんぷんでとろみをつけて冷やし固める | なめらかで軽やか、やさしい甘さ | イタリア(シチリア地方) |
| ブランマンジェ | 牛乳・生クリーム・砂糖・アーモンド | ゼラチンで冷やし固める | クリーミーでコクがある、アーモンド風味 | フランス |
| パンナコッタ | 生クリーム・牛乳・砂糖 | ゼラチンで冷やし固める | 濃厚でリッチ、口どけなめらか | イタリア(北部) |
👉 ポイント
- ビアンコマジャーレ … でんぷんで固めるので軽やか
- ブランマンジェ … アーモンド風味が特徴
- パンナコッタ … 生クリームたっぷりで濃厚
食べ方・提供のヒント
- ガラスの器に盛り付けると透明感が映える
- フルーツやソースで彩りを添えると華やか
- カフェ風にアレンジすればSNS映えも抜群

注意点・コツ
- 火加減は弱火でじっくり。強火だとダマになりやすい
- とろみがついたらすぐ火を止めること
- 冷蔵庫でしっかり冷やすと食感がよりなめらかに
まとめ
ビアンコマジャーレは、シチリア生まれの素朴で美しい白いデザート。でんぷんで固めるため軽やかな口当たりが特徴で、パンナコッタやブランマンジェとの違いを知れば、食べ比べも楽しめます。家庭でも材料さえそろえば簡単に作れるので、ぜひ挑戦してみてください。


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